小説が好きで読み始めて、面白さを少しずつ実感したら、ぜひ長編の小説に挑戦してみましょう。
そんな時におすすめなのは、医療系の小説です。
ただ、医療系の小説は難しいイメージがあり、最後まで読めるか心配になってしまう。
今回こちらの記事では、医療系小説は面白いのかどうかについて解説しています。
医療系小説の中でも恋愛やミステリーも読める小説も紹介していますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
医療系小説は面白い?
ドラマ化されることが多い「医療系小説」
人気がある一方、読んだことがない人にとっては「医療」=「難しい」と敬遠してしまう人もいるのではないでしょうか。
実際に医療系小説は面白いのかについて、ここからは解説していきます。
医療系はヒットする面白さがある
医療系小説は、ドラマ化されてヒットすることが幾度もあります。
代表的な例ですが
- 白い巨塔
- チーム・バチスタの栄光
- 祈りのカルテ
- コード・ブルー
- 神様のカルテ
これらの原作は小説であり、「白い巨塔」は600万部を越える販売数を誇っています。
ドラマ化しやすく、また人々の心を掴みやすいのが医療系小説の強みです。
実際に医療系小説の面白い所を紹介していきます。
医療系小説の面白さ
医療系小説の面白い所はいくつもあります。
その中でも特に「医療系小説のここが面白いから読んでしまう」というポイントをまとめてみました。
①人間模様が深い
医療系小説は、新人の研修医からベテランの医者といった医療に関わる者から、患者や看護師といった様々な視点から描かれていきます。
医療系の小説は、それぞれの立場から、自身の責務を全うしたり、過去と向き合うなど、人間の深い関係性や対決などが色濃く描かれています。
ストーリーも医療の現場の話や病院の権力争いだったりと、病院だからこそ起こる内容で、私達の生活とは少しかけ離れた中で進んでいきます。
医療系は特に忙しい現場の中だからこそ、人の本性や思いがむき出しで描かれるこがあります。
生生しい感情や計画された謀など、次から次へと展開していくことに魅力を感じ、一気に読んでしまうのが医療系小説の面白い所です。
②命のやりとりの緊迫感がある
医療系の小説では、病院が舞台なため、患者とのやり取りや手術のシーンが多くあります。
緊迫感あふれる手術シーンや自身の病気と向き合う姿など、命に関する真剣な場面が赤裸々に描かれているので、小説を読みながらまるでそこにいる臨場感を味わう事ができます。
③感動シーンが多くある
医療系小説では、感動するシーンがたくさんあります。
生死ギリギリの中でのやり取りや、緊迫感あふれるシーンが多いのは、医療系小説ならではの見どころです。
命が助かるかどうかの裏で、その命への思いや、患者を救った後の涙など、感動するシーンや悔しい涙を流すことも、医療系小説の名場面です。
緊迫した命のやりとり・小さな命を預かることへの葛藤など、様々な感情を味わうことができるのも、医療系小説の面白いと感じる所です。
④読みながら学ぶことができる
医療系小説は、医療系の専門用語が多く使われているため、ストーリーを読みながら、医療について学ぶことができます。
救急の場合はどんな対応をしているのか、その緊迫感を肌で感じるような表現が多くされているので、読む前より医療関係に詳しくなれます。
医療関係共通の常識などもあるので、読み進めるとわかってくるのでより面白さが増します。
小説を読んだだけで医療関係に詳しくなれるのが、医療系の小説のメリットでもあります。
最初は内容が難しいかも
医療系小説は面白い、と言われることが多いのですが、ただ1つだけ、「内容が難しい」ということで敬遠されることもあります。
医療系は事件や内部紛争なども扱われている関係上、人間関係が複雑なこともあり、多く貼られた伏線を理解しきれずに挫折してしまうということもあります。
根気よく内容を読み込めない場合や長く難しい小説が苦手な人は、医療内容だけの小説は退屈してしまうかもしれません。
ただ、医療系の小説でも、読みやすい内容の小説もあります。
読みやすい内容の小説から始めると、面白さがわかるのでおすすめです。
恋愛・ミステリーも読める医療系小説
専門用語が多い医療系小説は、それだけでも面白いのですが、他のジャンルがあるとより面白くなります。
特にミステリーや恋愛の内容があると内容に深みが増し、続きが気になってあっという間に読んでしまいます。
医療系小説とミステリーは相性が良い
医療系小説の中で描かれるその多くが、病院の中で渦巻くミステリーやサスペンスです。
病院でうごめく陰謀や過去の医療事故が明るみに出たことで、起きる事件の数々。
患者や病院が隠してきた謎が、事件と共に明かされていくシーンは非常にハラハラして面白いものです。
複雑になる医療の世界の中で起こるミステリーは、他のサスペンスよりも解くのが難しく、だからこそ謎が明かされる時の爽快感は他よりも勝ります。
医療系の小説の深みをより濃くし、読んだ人を一気に物語に引き込めるので、ミステリーの内容がある小説を読むと、何度も読んで楽しむことができます。
恋愛系が入ると感情移入できる
小説には主人公が存在し、他の登場人物が主人公を囲んで様々な人間模様を繰り広げます。
この間に恋愛要素が入ると、それぞれが赤裸々に内に秘めた感情をむき出しにし、結末が全くわからなくなります。
そうなると一気に物語に引き込まれ「この二人はどうなってしまうのだろう?」と続きが気になってしまうもの。
特に報われない恋愛だったり、すれ違っていく二人やライバル登場で進んでいく恋愛模様には、医療とは違う魅力を感じ、感情移入をしてしまいます。
頑張っている人や悩みながらも進む人には、誰もが背中を押したり、応援したいと思ってしまうもの。
医療は自分とは違う世界、と思っても、そこで働いているのは同じ感情を持つ人なのです。
恋に悩んだり涙する内容の小説を読んでみると、医療系が少し難しくてもスラスラと読み進められるのでおすすめです。
おすすめの医療系小説を紹介
医療系の小説をより面白く味わうには、ミステリー+恋愛系をおすすめしています。
ただ、読みたいと思っても、探してみると「これ!」というものが見つからないものです。
しかも、医療系小説はたくさん種類があります。
初めは読みやすいものをおすすめします。
ここからは私のおすすめの医療系ミステリー恋愛小説を紹介します。
「アントールド インシデント」
私がおすすめする医療系小説は「アントールド インシデント」という小説です。
こちらは「赤梨ゆまり」さんという方が書かれた小説です。
こちらは医療現場で働く新人看護師、佐倉沙菜が救命救急で働く中で巻き込まれていくストーリーが描かれています。
沙菜は初めて働く救急外来で壮絶な現場で必死に働く中、彼女を指導し、支えていく三野先生に、次第に惹かれていきます。
二人の距離が近づいていく中、過去の医療事故と三野に関わりがあることを知る沙菜。
その謎を追ううちに、謎の鍵を握る狗飼先生も沙菜を必要としていきます。
三野と狗飼には、過去の医療事故と深い関わりがあり、愛する三野を守るため、沙菜が取った行動が、医療事故の真実の扉を開くことになります。
「アントールド インシデント」は医療系小説ですが、医療事故の謎を追うミステリーや、沙菜の恋模様が描かれています。
医療系小説と思って読み始めても、ミステリーや恋愛が絡み合うので、難しいと感じることなく一気に読むことができます。
さらにタイトルでもある「アントールド インシデント」には
「秘められた」という意味を持つ「アントールド」
「医療事故や医療過誤を未然に防ぐことのできた事例」という意味を持つ「インシデント」がつけられています。
このタイトルの名の通り、隠された医療事故を追い続けていくうちに、予想もしない真実を沙菜たちは見つけることになります。
一度読んでみるとその内容に引き込まれるのに、読んでいても難しさで諦めることもありません。
予想もしないラストを読み終えると、このタイトルの本当の意味がわかって、もう一度読んでみたくなる小説です。
おすすめポイント
「アントールド インシデント」には、おすすめポイントがいくつもあります。
- 沙菜を求める三野と狗飼のトライアングルラブストーリー!
- 登場キャラクターも個性的でやり取りが面白い!
- 過去の医療事故の謎に釘付け!
- 隠蔽された医療事故の驚きの結末!
看護師になって初仕事に意気込む看護師、紗菜の奮闘の中、少しずつ育まれる三野先生との愛。
しかし順調とも言える恋愛に、過去の医療事故の謎が複雑に絡み合うことで、沙菜は狗飼と三野の間で揺れることになり、「三角関係」に陥ってしまいます。
この揺れる気持ちが繊細に描かれていて「一体どうなってしまうの?」とドキドキして読んでしまいます。
さらに登場するキャラクターも皆個性的で、幼馴染である森行と雫のやり取りなども微笑ましく、決して重いストーリーになりません。
さらに医療の利権なども絡み合い、誰が味方で誰が敵なのか、それを想像するのも面白いもの。
そして医療事故はまさかの結末で幕を閉じることになるので、結末を予想しながら読んでいくと、あっと驚かされるのもこの小説のスゴイと感じるところです。
読んでみた感想
私も実は医療系小説を読むのは初めてでした。
なぜなら「専門用語が使われていて理解している間につまらなくなってしまう」と思ってしまったからです。
しかしそんな私の思いは見事に打ち砕かれてしまう内容でした。
最初は専門用語を理解するのに少し時間をかけましたが、読み進める内に、どんどんと引き込まれていき、気になって仕方ない、と思う展開に息を飲みました。
新人看護師として入ってきた沙菜が、周りから必要とされ、三野とも距離を近づけていた矢先、三野が抱える医療事故の闇に関わってしまう。
そして狗飼との出会いをきっかけに動き出す狗飼の思い。
沙菜の意思とは裏腹に、二人の男の思いが溢れてしまう所や、沙菜が二人の男性の間で揺れる姿は、他人事とは思えず思わず感情移入してしまいました。
医療事故の謎も、小説の序盤から伏線が細かく張られていて、ラストに向けて一気に回収されていきます。
その伏線回収とラストの結びが本当に見事と言える内容でした。
思わず一気読みしてしまうほどの内容でした。
医療についてもわかりやすく書いてあるので、読みながら学べ、さらに沙菜自身の成長も感じることができます。
医療系の小説ですが、ミステリーも恋愛も、そしてそれぞれの登場人物の成長も感じられる、欲張りな内容の小説でとても面白かったです。
無料で読むことができる
実はこちらの「アントールド インシデント」
書店でわざわざ購入しないと読めない、ということはありません。
実は「エブリスタ」という小説投稿サイトで読むことができます。
エブリスタは誰でも投稿や閲覧ができるサイトですが、これまでに多くの作品が、ドラマ化や映画化などになって脚光を浴びています。
「アントールド インシデント」も、エブリスタで読むことができます。
完結していて更に無料で読めるので、コツコツ読んでみたい人にも、一気に読みたい人にも安心して読むことができます。
是非一度読んでみて、感動を味わってみてくださいね!
おわりに
今日は「医療系小説は面白いか」ということについて紹介しました。
小説は自分が求めるものにどれだけ合致するかはもちろんですが、これまで知らなかった世界を知るために、一番簡単な方法です。
医療系の小説は難しいこともありますが、「アントールド インシデント」では、専門的な知識がなくてもわかりやすく書かれていますので、肩ひじはらずに読むことができます。
「こんなドキドキする小説があったんだ!」という嬉しい感動やワクワクを味わえるので是非一度読んでみてくださいね!
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!